現場の課題から始まった道具づくり
自動車板金塗装の現場では、粒度の異なるサンドペーパーを何種類も使い分けます。従来のディスペンサーは複数のロールが一本の筒につながり、一種類を交換するために全体を取り外す必要がありました。段ボール製のものは、湿度の高い環境で形が崩れやすいことも課題でした。
整理された作業場と使いやすい道具にこだわってきた代表が、日々の交換作業を少しでも軽くするため、自ら試作を始めました。


重さと独立構造で、交換をスムーズに
中心の芯棒に十分な重さを持たせ、使用中のペーパーが動きにくい安定構造にしました。それぞれのロールを独立してセットできるため、必要な種類だけを交換できます。芯棒はステンレスに限らず、必要な重さを確保できる素材へ応用できます。
この構造について、2025年1月17日に「サンドペーパーディスペンサー」として特許が登録されました。権利情報は、特許情報プラットフォームJ-PlatPatで登録番号「7621642」を検索して確認できます。
工場と暮らし、2つの使い方
サンドペーパー
粒度ごとに独立して交換でき、重い芯棒がカット時の作業を安定させます。サンドペーパーにはミシン目がないため、切断にはハサミなどを使います。
キッチンペーパー
妻の一言から家庭用としても試作しました。ミシン目のあるキッチンペーパーは、芯棒の重さで固定され、片手で切りやすくなります。一部の飲食店から注文をいただくなど、業務用途での活用可能性も広がっています。

約1年の試作から生まれた構造
完成までには約1年をかけました。鉄を使った試作、芯棒の重さの調整、ペーパーが滑りにくくなる加工など、実際の作業場で確かめながら改良を重ねています。見た目はシンプルでも、現場で毎日扱うからこそ気づく工夫を積み重ねた技術です。


この技術を事業として育てるために
現在の町工場だけでは、生産量と価格の両面で届けられる範囲に限りがあります。フツガノは、製造・量産、用途開発、販売・海外展開を共に進める企業とのライセンス契約を希望しています。単なる製造委託ではなく、現場発の技術をより多くの人へ届ける事業として育てる提携を目指します。
株式会社フツガノについて
宮崎市を拠点に、自動車板金塗装を営む会社です。長年の現場経験をもとに、作業効率と品質を支える道具や収納具の工夫にも取り組んでいます。